女優の大島優子が、タナダユキ監督の最新作「ロマンス」で6年ぶりの映画主演を果たしていることがわかった。大島にとって、昨年6月に「AKB48」を卒業後、初の主演作。昨年11月に撮影は終えており、「こんな穏やかな気持ちで撮影を終えられた作品は初めてでした。それは、タナダ監督、スタッフの方を信じていたからだと思います」と振り返っている。昨年出演した宮沢りえ主演作「紙の月」での演技が評価され、第39回報知映画賞を皮切りに、第36回ヨコハマ映画祭で助演女優賞を受賞。前日1月14日に発表された第38回日本アカデミー賞優秀助演女優賞にも名を連ねている大島は、タナダ監督にとって「百万円と苦虫女」(2008)以来7年ぶりにオリジナル脚本に挑戦した意欲作を次回作に選んだ。大島が演じる主人公の北條鉢子は、ロマンスカーで車内販売を行う26歳のアテンダント。仕事の成績は常にトップで、この日もつつがなく業務をこなし、小田急電鉄新宿駅と箱根駅を往復して東京に戻ってくるはずだった。ひょんなことから大倉孝二扮する“怪しい映画プロデューサー”との箱根珍道中に巻き込まれていく、というロードムービーだ。オファーを受けた当初は「主演ということで不安な気持ちになったのですが、監督がタナダさんと聞き、一気に喜びに変わり、楽しみな気持ちが日増しに大きくなった」という。そして、「以前からタナダ監督の作品が好きだったこともあり、脚本から見えるタナダワールドに引き込まれました。絶対に面白いものにしたい! と強く思いました」と明かす。アテンダントを経験してみて「何度も練習をしたのですが、とても難しく、実際に動く電車の中で実演できるのか不安でした。本番は手が震えるほど緊張しましたが、何とかOKを出してもらえたので良かったです」と述懐。共演の大倉についても、「芝居をしている時、それ以外のところでも私を寛大に受け止めてくれました。そして、お芝居で“遊ぶこと”を教えていただきました。この作品のパートナーが大倉さんで良かったと心から思っています」と感謝の念をにじませている。ロマンスカーの回送電車を借り切って行われた車中撮影をはじめ、小田急電鉄による全面的な協力体制が得られたという。現在は、最終的な仕上げ段階に入っている。なお、窪田正孝らも出演している。「ロマンス」は、今秋に全国で公開。
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